トムクルーズが結婚式を挙げた古城ってどんなとこ?ブラッチャーノ・オデスカルキ城について徹底解説!

ヨーロッパ旅行で人気の一つ古城巡り。フランス、ドイツが特に人気がありますが、もちろんイタリアにも素敵な古城があります。その一つがローマの北西にあるブラッチャーノ湖の近くにあるオデスカルキ城。ローマから電車で1時間で行ける落ち着いた雰囲気を楽しみながら観光ができる一味違ったイタリア旅行の穴場スポットです。

目次

ブラッチャーノ・オデスカルキ城の基本情報

オデスカルキ城は、800 年の歴史を持つ特別な歴史的建造物です。 1470 年に中世ローマの貴族オルシーニ家によって建てられ軍事防衛構造と民家の機能を兼ね備えています、1696 年にオデスカルキ家が購入し、現在も所有しています。1952年に一般に開放され、イタリアで最大かつ最も手入れの行き届いた城の1つです。

トムクルーズが2007年に結婚式を挙げたオデスカルキ城。イタリア語でCastello Odescalchi di Bracciano(カステッロ・オデスカルキ・ディ・ブラッチャーノ)と言います。静かなローマ郊外の町もこの時ばかりは大騒ぎになったとのこと。イタリアでは、数々の著名人が結婚式を挙げるイベント会場としても有名です。

・Castello Odescalchi di Bracciano
ジャンル:城
住所: Via Giulio Volpi, 12, 00062 Bracciano RM, Italy
電話:+39 06 99802379
E-mail:museo@odescalchi.it
公式サイト:https://odescalchi.it/

チケット購入方法と入場料

チケットは、現地窓口と公式サイトで予約ができます。イタリア語だけなく英語を選択することもできますし、ドイツ語、フランス語、ロシア語、スペイン語も可です。
その際にWeekday(月から金)かHoliday(土、日曜日)を選択します。

チケット料金は大人が1人10ユーロ。子供は0歳から5歳までが無料、6〜12歳は1人7ユーロです。

開城時間と休城日

開城時間は、冬季と夏季で1時間違います。

【開城時間】
◉ウィンタータイム(冬季)
月・金 10:00~17:00(最終入場16:00)
土・日・祝日 10:00~18:00(最終入場17:00)

◉サマーアワーズ(夏季)
月・金 10:00~18:00(最終入場17:00)
土・日・祝日 10:00~19:00(最終入場18:00)
チケット売り場は1時間早く閉まるので要注意。

【休城日】
12月25日を除き年中無休ですが、プライベートイベントが予定されている日は時間が変更される場合があるので公式HPで確認が必要です。

アクセス

ローマから車か電車で約1時間。最寄駅のブラッチャーノ駅からも近いです。

オデスカルキ城の入り口と見所

ここが敷地内への入り口です。この緩やかな坂を登ってお城へ向かいます。

まず小さいグッズ売り場に併設されたカウンターでチケットを買いましょう。城の外観は落ち着いていてエレガントです。統一性のある様式は、オデスカルキ城の建築が単一のプロジェクトによって建てられたことを裏付けていると考えられています。

この坂を登っていくと、オデスカルキ城があります。お城の散策を始める前に必ずトイレに行っておきましょう!

城の入り口の大通りのアーチは、16 世紀後半の作品です。バラが突き出た切石と交互に並び、その上に家紋が描かれています。

城内

城内は広く、石畳みなので履き慣れた靴に、動きやすい服装が良いですね。城内は、ひんやりとしているので、秋冬は特に寒さ対策が必要です。

オルシーニ家のシンボルの熊の像がお出迎えをしている階段。

中庭

ブラッチャーノ城は、五角形の形状をしていて、要塞と宮殿が興味深い形で融合しています。 このタイプの建物は、防御のニーズだけでなく、所有者の社会的および政治的生活のニーズにも応え、宮廷は快適さと優雅さが必要とされました。

デザインされた床が特徴的で洗練された昔ながらの門を備えた中庭は、15世紀の終わりに完成したと言われています。

要塞宮殿の類型は中世に起源を持ちます。要塞には、広くて快適なアパートを備えた中心部があり、15世紀の高貴な貴族は主に城に住んでいました。

そして、ブラッチャーノは、イタリアの歴史における基本的な外交の中心地でした。人文主義者(ギリシア・ローマの古典文学や聖書を研究し神や人間の本質を考察した知識)、大使、教皇、枢機卿、国王、王妃が訪れました。

オデスカルキ城は、ルネッサンス様式の要塞宮殿として興味深い例であり、場内に残っているルネッサンスの痕跡を探すのも見所の1つです。

15世紀から16世紀の要素の一部が保存されていて、建築的にも芸術的にも優れたお城です。

シャンデリアは細かい装飾が興味深いです。

天井の装飾も圧巻。ルネッサンス期のイタリアの画家アントニアッツォ・ロマーノと弟子たちによって描かれました。

腰掛けがある窓からは湖が見えます。500年前もここから外を眺めていたのでしょうか。

この天蓋付きベッドと鮮やかな家具がある部屋は『イザベラの寝室』です。フィレンツェのメディチ家から嫁いできたイザベラは、1560年に結婚し式もこのお城で行われました。

16世紀のベネツィア様式のベッド自体は大きくありませんが、天蓋付きで装飾が細かくて綺麗でした。

おそらく1700年代に遡るシチリア製の素晴らしい錬鉄製のベッドもあります。

ミラノにあるバガッティ・ヴァルセッキ美術館にあるシチリア製ベッドよりも少しだけ簡素なデザインですね。錬鉄製ですが、この花びらの感じがすごく素敵です。

部屋の中心に騎馬兵があるここは、古典的な英雄の人生のエピソードを描いた天井の下のフリーズにちなみ『ヘラクレスの間』と呼ばれています。

展示されていた杖の形状が強そうで、テレビゲームの装備に出てきそう。勝手に「悪魔(サタン)の杖」と命名しました。

アントニアッツォ・ロマーノの「受胎告知(Annunciazione)」。「受胎告知」は、多くの画家が描いている宗教画のテーマです。キリスト教の新約聖書の書かれているエプソードの一つで、大天使ガブリエルが処女聖マリアに聖霊によりキリストを妊娠したことを告げ、マリアがそれを受け入れているシーンです。

受胎告知をする大天使ガブリエル。純潔の象徴の百合を持っています。

受胎告知を受ける聖母マリア。マリア崇敬のキリスト教文化圏では、芸術作品として非常に一般的なモチーフ。イタリアの多くの美術館で見ることができるモチーフです。フィレンツェのウフィツィ美術館にあるレオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』が有名ですね。

よく見ると魚モチーフになっているドアハンドル。

ブラッチャーノ城は部屋数が多く、見所がたくさんあり飽きることがありません。神が中心と考えられていた中世のことをあらかじめ予習しておくとより楽しむことができると思います。

武器室

武器室には、アントニアッツォ・ロマーノによる『ジェンティル・ヴィルジニオの軍事パレードとピエロ・デ・メディチとの会談』の15世紀のフレスコ画があります。

軍事パレードは、遠くまで騎馬兵が細かく丁寧に描かれています。

展示されている豊富な武器のコレクションは、その希少価値と重要性から2階の大部分を占めて展示されています。

色々な武器と防具は間近で見ることができ、迫力があります。

RPGが好きな人は、特に興味深い展示になっていると思います。鉄兜やくさりかたびらなどまじまじと見ることができ非常に興味深かったです。店主がいたらドラゴンクエストの武器屋はこんな感じなのかなと思いました。

実際の装備して戦うことは非常に大変だったと思いますが、生きるか死ぬかの戦場では重い、動きにくいなどのことよりも生き抜くという意思がとても重要なことだったのではないかなとたくさんの武器、防具を目の前に思いました。

兜の種類もたくさんありました。当時は、階級などで形が分かれていたのかな?

武器は、重厚感があって迫力がすごかったです。実際に使われていた武器を目の前にすると、少し怖いなという印象。

食堂

城の中心にある古代の食堂には、今も巨大な4つの暖炉が残っています。

展示されている銅製の鍋には在庫番号が記載。

キッチンの中には狩りで手に入れた動物の剥製の頭が飾ってあります。

オルシーニ家のシンボルの熊の蛇口。

古代の食堂は、壺や鍋、暖炉など近くで見ることができます。当時はここで食事を作っていたんだなぁと色々と想像が膨らみ、興味深かった空間です。

城から見晴らす景色が綺麗

城の頂上からブラッチャーノ湖を見渡せるので、是非登りましょう。

通路は広くないので、他の観光客がいたら動線を譲り合う必要があります。

あいにくの曇り空でしたが、ブラッチャーノの町を見渡せる開放感があり気持ちよかったです。

イタリアで8番目に大きい湖の西側にオデスカルキ城はあり、1年を通して白鳥、アヒル、カルガモもいます。夏にはセーリングをしている人も多く、夏の避暑地として人気があります。

ブラッチャーノ湖が水源となり、古き時代から重要な場所となり要塞化された居住地となりました。

オデスカルキ城のパノラマは、要塞のような城の造りを確認でき、ブラッチャーノの町並み、広がる湖が素敵でした。

パパリーナ(教皇)の部屋

熊の像がある階段の手前には、北塔への通路があるので最後に寄ることをお忘れなく。この通路を進んでいくと、教皇塔と呼ばれる北東の塔にあるパパリーナ(教皇)の部屋に行くことができます。

1481年にローマを襲った疫病から逃れるために、シクストゥス4世が一時的に過ごしていた部屋です。

シクストゥス4世(本名:フランチェスコ・デッラ・ロヴェーレ)はルネサンス期のローマ教皇(在位1471年-1484年)。ルネサンス教皇の典型と言われている存在で、ヴァチカンにシスティーナ礼拝堂を建設した人です。政治的には失敗が多く、イタリアに無用な戦争と混乱をもたらしたと言われています。しかし、ローマの発展と美術と学問の振興には大きな業績を残したとされています。

ソファに寝そべって天井を見上げると、ルネサンス期の雰囲気をまざまざと実感できます。

部屋自体はそこまで大きくありませんが、天井が見所です。

豪華で繊細。これぞルネサンスという天井絵。

色鮮やかですが、ちょっと怖さも感じます。

オルシーニ家のシンボルの熊もいます。くまのプーさんっぽさを感じたのは私だけでしょうか。

チャーミングなライオンの置物も存在感あり。

トイレがモダンで綺麗

チケット売り場を出て右手にトイレがあります。お城の中を見る前に必ずトイレを済ませておきましょう。

プライベートのお城ということもあって、モダンなデザインで綺麗です。ダイソンのハンドドライヤーも付いています。

最後に

ブラッチャーノ・オデスカルキ城は、中世の雰囲気を存分に楽しめるイタリアを代表する古城です。ローマから車、電車で1時間ほどのとこにあり、ローマ中心部の喧騒から離れてゆっくりとした時間が流れる観光が楽しめます。旅行雑誌にはあまり紹介されていない穴場的なローマの観光スポットです。一般的なイメージとは少し違った雰囲気のイタリアを味わうことができるのが魅力的なポイントの一つです。イタリアの古城を是非お楽しみあれ。

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この記事を書いた人

イタリアに3度旅行で訪れ、その後ミラノでメンズ服のデザイン留学をした東京生まれ千葉県育ちの日本男児。実際に住んでみてわかったこと、旅行だから感じることをベースに記事を書いています。イタリアに旅行をしたい日本人、日本を旅行したいイタリア人がもっともっと増えてほしいなぁと思っています。

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